

YASUMI TSUHARA
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津原泰水
版画:北見隆

新刊
『烏と孔雀』(河出書房新社)
全作品単著未収録。
タイトル・収録作・収録順決定=津原泰水。
『綺譚集』(創元推理文庫)、『11eleven』(河出文庫)に続く第三作品集『烏と孔雀』。本作は、生前、著者が担当編集者と刊行に向けて進めていた作品集です。『烏と孔雀』というタイトル、収録作品、掲載順にいたるまで、著者本人が決定。1998年発表のものから最晩年(2022年)の作品、さらには書き下ろしまで、全14作品が収録。
・幻獣たち
・I, Amabie
・北三鷹市の開ヶ町
・エリス、聞えるか?
・クニヨシ・カネコのキャビネット
・エルビスさんの帽子
・指輪物語 予告篇
・SARS-CoV-2の物語
・恋するマスク警察
・ボッサ・ノヴァ2020
・戯曲 中空のぶどう
・おなかがいたいアナグマ *書き下ろし
・カタル、ハナル、キユ
・リサイクル(亀井省吾の場合)
コロナ禍にご自身の代表作「五色の舟」を無料公開した際に書かれた文章「『五色の舟』全文公開に際して」も特別掲載。解説はミステリ評論家の日下三蔵氏が担当。「津原泰水の足あと」と冠された解説は、少女小説作家「津原やすみ」時代の話から晩年にいたるまで、小説家・津原泰水の魅力溢れる原稿です。

長編小説
『羅刹国通信』(東京創元社)
震災で妻を失いPTSDに苦しむ叔父との
同居に疲弊する家族のために、
小学六年生の左右田理恵は叔父を殺した。
その四年後、理恵は奇妙な夢を見るようになる。
荒れ果てた灼熱の地で岩蔭と食糧を求める
「鬼」の集団は二つの勢力に分かたれ争い殺し合う――その法則を理恵に教えたのは、
同じ夢を共有する一人の少年だった。
鬼才の幻視文学の頂点となる幻の傑作、初単行本化。
解説=春日武彦・北原尚彦

長編小説
『夢分けの船』(河出書房新社)
四国から東京へ。映画音楽の勉強のため、音楽専門学校に通うことになった修文は、引っ越し先・ 風月荘704号室にまつわる噂を聞く。
「出るよ、茲(ここ)」――久世花音
……かつて修文と同じく「音楽」という「夢」を追い続け、ある日、自ら命を絶った3代前の住人の幽霊の話を。
“かのん”が影を落とす部屋から始まる、切なくも 美しい青春小説。

全国書店員からの声
世界をひとつひとつじっくりと自分のスケールで確かめていく。この時間が青春で、文章を読みくだき、 味わうこと自体がとても楽しかったです。いつでも、どこでも、明治でも今でも変わらない。
(啓文社 コア福山西店 川﨑さん)
古風な文体で描かれるのは夢という船に乗った時代の若者たち。眼の痛みからくる可視化された音楽世界 が美しく、このまま音楽の世界へと修文は羽ばたくのかと思いきや、思いがけない展開がショックでした。 “花音”の亡霊が同じ部屋に住む修文の人間関係にまとわりつき、幽霊譚の謎が徐々に明らかになるところ も面白い。自分は、夢の船からいつ降りてしまったのだろうかと学生時代を思い出しました。
(ジュンク堂書店 名古屋栄店 西田有里さん)
独特の読後感とともに、我々がどこかに置いてきてしまった、「青春への憧れ」をもう一度思い出させて くれる作品でした。王道的な青春小説のようで、どこか幻想的で不穏さも見え隠れする津原文学の完成形 をこの作品に見た思いがした。
(書原 つつじヶ丘店 坂本さん)

津原泰水(つはら やすみ)
1964年広島市生まれ。
青山学院大学卒業。
89年に津原やすみ名義で少女小説家としてデビュー、
〈あたしのエイリアン〉シリーズで人気を博す。
97年に現名義で『妖都』を刊行、以降は幅広いジャンルで執筆活動を行う。2006年に『ブラバン』がベストセラーに、12年に短篇集『11 eleven』が第2回Twitter文学賞国内 部門1位となる。14年、24年と続けて、短篇「五色の舟」がS-Fマガジン“オールタイム・ベストSF”国内短編部門1位に選出される。
同年、マンガ化された同作(漫画:近藤ようこ)が第18 回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞。著書に 『ペニス』『少年トレチア』『綺譚集』『バレエ・メカ ニック』『琉璃玉の耳輪』『ヒッキーヒッキーシェイク』 『』〈幽明志怪シリーズ〉〈ルピナス探偵団シリーズ〉〈たまさか人形堂シリーズ〉などがある。著作は欧米やアジアで翻訳されるほか、法政大学大学院客員教授やよみうりカルチャー文章講座の講師なども務めた。
22年10月2日に逝去。
第43回日本SF大賞功績賞受賞。
今後の予定
2024年10月 津原やすみ名義の全少女小説 電子書籍にて復刊スタート
2026年以降 津原泰水名義第四短編集、雑文集 等